とろろ・自然薯の効用

自然薯

自然薯に含まれるディオスゲニン

「ごぼう5時間 人参2時間
たまごたちまち 山芋やたら」

自然薯に含まれているディオスゲニン(ラテン語で「ディオス」は「神」、「ゲニン」は「素」の意味)は、ヒトの体内で男女両性の性ホルモンに変わる基本的化学物質です。

だから効く。”精のつく食べ物”と言われる由縁です。

※上記の数え唄は、ヒトが食べてからエネルギーに変わるまでにかかる時間です。
昔から知られていました。だから東海道を旅する人々に宿場名物として愛されてきたのですね。

自然薯の澱粉

成分の話になりますが、自然薯の澱粉はアルファ型。アルファ型の澱粉というのは、お饅頭のアンコや焼芋の澱粉と同じようにすぐ消化できるという特徴があります。

だから、ベータ型の澱粉が含まれているじゃが芋やさつま芋と違って生で食べても美味しいのです。唯一、生でも皮ごと食べられるイモ類です。

そして、米麦は生の状態ではベータ型。だから生のままではまずくて食べられません。しかし、炊くことでアルファ型になり、生の状態でアルファ型のとろろにぴったり合って美味しいのです。

分解酵素と食物繊維

自然薯は澱粉や蛋白質の分解酵素を持っています。また、麦にも胃の働きをよくし、消化を助ける力があります。

しかも、麦飯だけでなく、一緒に食べる鶏、魚、獣の肉も消化してくれます。だから腹一杯食べても消化が早いのです。

そして自然薯の粘りと紐ひきは、納豆のネバネバや寒天、こんにゃくといった食物繊維の仲間です。

便通を整え、腸内発酵を押さえ消化にもよく、元気が出る食べ物です。

土壌作家・農学博士 松尾嘉郎